2016年3月7日月曜日

アイスコア掘削 その2

アイスコア掘削の続きです。

ドリルの内筒を引き出します。写真で赤いソリに落ちている粉雪のようなものは掘削チップ(刃で切削された氷の細片)の一部です。


掘削チップを排出し、コアを筒の内部でスムーズに移動させるため、筒を縦に保持して軽く叩く場合もよくあります。写真では、下方から掘削チップが出てきているのが見えます。このドリルで最も順調に掘削できた場合、筒の長さの半分以上がチップで満たされ、110cmほどのコアが採取できます。(なお、ドームふじの深層掘削では、約4mのコアが採取できる非常に長いドリルが使用されました)

アイスコアを長い棒で押し出します。ちなみに、合板の上に古布団を敷き、その上で作業しています。

コアの長さを計測します。バインダーの記録用紙には、掘削中の様々なデータが記載されます。各動作を行った時刻、モーター電圧、電流の移り変わり、コアの長さや数(割れている場合)、トラブルや気付いた点、等々。



この後、ドリルを清掃・整備し、次の掘削を行います。1サイクルの所要時間は、深度によりますが15〜30分程度です。これを約300回繰り返し、1月27日に最終深度261mに達しました。一日の最多回数は30回でした。ハードですが充実した日々であったことが思い出されます。

コアはこのあと「コア処理」と呼ばれる一連の行程を経た後に、箱詰め・保管されます。
それは次の機会にご紹介します。
ではまた。

1 件のコメント:

  1. はじめまして、yangmaskと申します。そちらは年中寒いのでしょうね。こちら東京では今、桜の花が満開です。隊員皆さんの任務完了と健康・無事をお祈りしております。



    実は、私もひょんなことから、今、アイスコアに関心を持っています。調べたところでは、浅い層では、1年1年を直接目で見ても判別できるしま模様があるとのことでした。とはいえ、深くなると、だんだんそのような判別が難しくなるとのことです。

    そこでお尋ねしたいのですが、

    ★そのような年単位のしま模様による直接判別(酸素同位体測定によらないで)は、上から何mぐらいまでなら有効なのでしょうか?
    ★あるいは、261mまで掘ってみて、ご自分で直接見た実感としては、そのような年単位のしま模様は十分残っていましたでしょうか?

    よければ、教えてください。

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