2016年3月7日月曜日

アイスコア掘削 その1

しらせに戻ってからもいろいろ忙しく、長らく更新が止まってしまいました。
なお、しらせは2度の予定変更で、まず南アフリカに行き、今度は南極にあるオーストラリアの基地に行きました(どちらも公式発表されており、後者はニュースにも取り上げられたようです)。シドニー入港と帰国の予定に変更はありません。

さて、1月5日に始まったアイスコアの掘削の話です。最初に、H128にいる7名全員が集まり、掘削の成功と安全を祈願しました。掘削する氷に影響しないよう、御神酒をかける場所にも気をつけて。
下の写真では、掘削機(ドリル)が横倒しになっています。これがスタート時の状態です。


ドリルの下半分は筒が2重構造になっていて、内側の筒の先端に刃が3枚付いています。この刃で削られた氷の細片(掘削チップ)は、外筒と内筒の間(緑色の部品が見えているすき間)を通ってドリル上部に運ばれます。周囲をくり抜かれた氷は、内筒の中に入っていきます。


ドリルを縦向きにして、掘削孔に降ろしていきます。


ドリルが孔の底に到着すると、刃を回転させて掘削します。順調なら5分足らずで1mの掘削が可能です。その間、一人はパネルの操作と計器の注視・記録、もう1人はケーブルの張りや感触を確かめます。掘削がスムーズに進むよう、回転数や降下速度を調整したり、トラブルの兆候を見逃さないようにします。


ドリルの中が氷で満たされたらその回の掘削は終了です。ドリルを引き上げ、横倒しにします。下の写真では、氷の端面が見えます。


次回に続きます。

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