2016年9月11日日曜日

氷河へ移動

8月23日に帰国してしばらく経ちましたが、キルギス共和国での掘削の様子を写真で振り返ります。

8月1日:偵察飛行

レーニン峰から東西30kmほどの範囲の稜線沿いに飛行し(上図)、掘削に適した地点を選定しました。


上空から見たベースキャンプ。


山肌に接近して飛行します。






8月2日、氷河の上に移動しました。標高約5200mです。気圧は540hPa程度。

全6便のうち、私は2便目でした。上の写真の左側遠方にはふもとが見え、右側には山々が見えます。






ヘリは何度も往復するため、荷下ろしは大急ぎで行います。一度に下ろす物資は300キロくらいでしょうか。


ヘリの離陸時、真上で旋回して去っていきます。


6便目の飛来時は視界が悪化してヘリが着陸できませんでした(そのため日米のリーダ−2名は2日後に現地入りしました)。

 
キャンプ体制作り。この時点では電動工具がなく苦労しました。

2016年8月1日月曜日

高度順応

3600mのベースキャンプを基点に、薄い空気に体を慣らす「高度順応」を数日かけて行いました。

順応初日は4000mまでハイキング。奥に見える山の一番高い部分がレーニン峰の山頂(7134m)です。


高度順応の序盤はキツい時も多々あります・・。


翌日は付近の山に登りました(4100mまで)。





次の日は、レーニン峰へ向かう次のキャンプ地(4400m)まで13km歩き、そこで2泊しました。


このようなちょっと怖い道を延々と歩きます。
低酸素に加えて結構暑かったこともあり、この辺りもキツかった気がします。


キャンプ1に到着
翌日は天候に恵まれませんでしたが、近くの山の途中まで登りました(約4700m)。


2泊目の夜中から雪が降りました。

3日目、同じ道をベースキャンプまで帰ります。下りで順応も進んだためか、往路よりはるかに楽でした。


マーモット




2016年7月、キルギス共和国に来ています

3月下旬に南極観測から帰国し、はや4ヶ月が経ちました。まだ全ての書き込みが終わっていないのですが・・。

山岳氷河掘削の国際プロジェクトに参加させて頂けることになり、2016年7月下旬から約1ヶ月の予定で中央アジアのキルギス共和国に来ています。緯度は日本と変わらないので、アイスコア掘削に適した氷河は標高がかなり高い場所にしかありません。今回掘削するのは5200m以上の場所です。

首都のビシュケクにて、日本から輸送した物資の確認などをしました。
ソビエト時代のレーニン像が残っています。なお、今回訪れる場所は「レーニン峰」という山の付近です。

準備が整い、ビシュケクからオシまで移動し、さらにレーニン峰ベースキャンプに向かいます。後半は悪路のため、250kmほどの道のりに7時間かかりました。
標高3615mの峠からの眺めです。道路が見えるでしょうか。

遊牧民が遊牧生活を営んでいます。

標高3600mのベースキャンプに到着しました(7/24)。


常設テントの内部
洗面所
到着日の夕焼け

2016年3月13日日曜日

ペンギン、クジラ、夕焼け

昨日と一昨日は、夕食後に写真を撮りに甲板に出ました。運良くペンギンやクジラ、奇麗な夕景を見ることが出来ました。

コウテイペンギンとアデリーペンギンが同じ海氷にいました。

コウテイペンギン

アデリーペンギンとユキドリ

クジラ

夕日と氷山

上の写真に写っている左の氷山の右端(光が当たっている部分)を望遠で撮りました。

一昨日の夕焼けと氷山

コア処理

今回の掘削は、人数的には最低限の5名で行いました。エアロゾル観測プロジェクトの2名を含めて7名で、その中から食事当番も出すので、掘削に2名、コア処理に1〜2名という少人数体制でした。そのため、現場で行う「コア処理」の内容は最低限に絞っていました。

まず、新たに掘削したコアと前回のコアの接合面を合わせます(軽く押しつけながら回転させ、ピッタリ合う位置を探します)。その後、コアの継ぎ目をまたぐように印を付け、長さを測ります(数100mあるコアの長さも、最上端から少しずつ継ぎ足して決められます)。その後、コアの特徴を記録用紙に記載します。部分的な欠けや、掘削間の切れ目の位置、氷板(気泡や空隙のない氷の層)、火山灰(今回は現場で目視できるものなし)、コアの直径、など。この段階で、最終的に箱詰めするための分割位置(約50cm間隔)も決定し、記録用紙とコアに書き込みます。


決めた分割位置で切断します。

専用の袋に入れてから、箱に入れます。このあと貯蔵庫に運びます(また次回に)。


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初期のコア処理場には屋根がなかったので、天気が良くても悪くても大変でした。天気が良いとテーブルの上の掘削チップや氷のかけらが融けて水になり(気温は氷点下ですが、強い日差しで物が直接加熱されます)、下の写真のように吹雪くと紙や物が飛ばされます。時間の制約から、コア処理場や貯蔵庫は、最初は最低限の機能や大きさだけを持たせ、掘削が始まってから拡張や改良が続けられました。

後日、ブルーシートの屋根をかけた状態です。これで日射や風を防ぐことができました。ちなみに、シートの角でない部分に紐をかけるための団子がありますが、これは冬訓練で(緊急搬送の実習のとき)教わった、雪玉を包んで固定点を作る方法です。


2016年3月7日月曜日

アイスコア掘削 その2

アイスコア掘削の続きです。

ドリルの内筒を引き出します。写真で赤いソリに落ちている粉雪のようなものは掘削チップ(刃で切削された氷の細片)の一部です。


掘削チップを排出し、コアを筒の内部でスムーズに移動させるため、筒を縦に保持して軽く叩く場合もよくあります。写真では、下方から掘削チップが出てきているのが見えます。このドリルで最も順調に掘削できた場合、筒の長さの半分以上がチップで満たされ、110cmほどのコアが採取できます。(なお、ドームふじの深層掘削では、約4mのコアが採取できる非常に長いドリルが使用されました)

アイスコアを長い棒で押し出します。ちなみに、合板の上に古布団を敷き、その上で作業しています。

コアの長さを計測します。バインダーの記録用紙には、掘削中の様々なデータが記載されます。各動作を行った時刻、モーター電圧、電流の移り変わり、コアの長さや数(割れている場合)、トラブルや気付いた点、等々。



この後、ドリルを清掃・整備し、次の掘削を行います。1サイクルの所要時間は、深度によりますが15〜30分程度です。これを約300回繰り返し、1月27日に最終深度261mに達しました。一日の最多回数は30回でした。ハードですが充実した日々であったことが思い出されます。

コアはこのあと「コア処理」と呼ばれる一連の行程を経た後に、箱詰め・保管されます。
それは次の機会にご紹介します。
ではまた。